https://trilltrill.jp/articles/4600478
1990年代半ば、日本のテレビメディアは一種の特異点に到達していた。お茶の間の主役は筋書きのない熱狂を売りにするバラエティ番組へと完全に移行する。特に日本テレビ系列で放送していた『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!』が生み出す熱量は、既存の音楽業界の秩序を根底から揺さぶり始めていた。
テレビカメラの前で繰り広げられる「本気」のドラマが、視聴者の感情を直接的にヒットチャートへと流し込む。そんな巨大な潮流の源流には、一つの短命なユニットと、敗北によって未来を切り拓いた少女の涙があった。
McKee『Can’t Stop My Heart』(作詞:南々見一也/作曲:後藤次利)ーー1996年4月20日発売
この一曲は、単なる企画モノの枠を超え、後に社会現象となる「ポケビ」「ブラビ」という音楽シーンの支配者たちを呼び覚ますための、いわば狼煙のような役割を果たした作品である。
1995年、南原清隆が演じる音楽プロデューサー南々見一也が、一つの構想を打ち出す。当初の計画は、番組内で人気を博していた高山理衣のソロデビューであった。しかし、制作側の意図やレコード会社からの強い要請が重なり、急遽、女性3人組ユニットへの再編を余儀なくされる。この突発的な方針転換こそが、後のJ-POP史に刻まれるドラマの引き金となった。
メンバー選考の場には、元おニャン子クラブの国生さゆり、そして女優として唯一無二の存在感を放っていた室井滋が顔を揃える。高山理衣を含めたこの3人が、ユニット「McKee」としての看板を背負うことになった。ユニット名は、高山理衣が身近にあった油性マジックを眺めて発した直感的な命名に由来する。
この選考の裏側で、音楽の神様はあまりにも残酷で、そして劇的な脚本を用意していた。出演者の中で唯一、歌手という職業に対して本気の志を抱いていた千秋が、選考から漏れるという事態が発生する。当然、自分が選ばれると信じて疑わなかった千秋が、カメラの前で隠すことなく流した大粒の涙。この「本気の挫折」を目撃した内村光良が、即座に手を差し伸べ、「第二のマモー・ミモーを作ってやる」と宣言した瞬間、ポケットビスケッツという伝説が胎動を開始したのである。
McKeeのデビューに向けて用意した楽曲『Can’t Stop My Heart』の制作陣は、極めて重厚であった。作曲と編曲を担当したのは、80年代から数々のヒット曲を世に送り出してきた名匠・後藤次利。南々見一也が綴った歌詞は、プロデューサーとしての視点と、どこか演者としての照れ隠しが混ざり合った、瑞々しくもストレートな情動を映し出していた。
しかし、肝心のレコーディング現場では、テレビ的な「お約束」を凌駕する現実が待っていた。国生さゆりや室井滋は安定した歌唱力を披露したが、歌手経験を全く持たない高山理衣の歌声は、お世辞にも洗練されているとは言い難い状態であった。フィリピンでの先行発売を目指した現地のスタッフが、そのあまりに素朴すぎる歌声に苦笑を浮かべたという逸話は、当時の番組の空気感を象徴している。
それでも、番組はMcKeeをフィリピンへと送り出す。言葉も文化も異なる地で、拙いながらも懸命に歌を届ける姿は、バラエティという虚構の中に「剥き出しの真実」を宿らせた。完璧な技術よりも、そこに存在する必死さが、国境を越えた共感を呼ぶ。この「未完成の輝き」をエンターテインメントへと昇華させる手法は、後のアイドルグループや企画ユニットのあり方に多大な影響を与えることになる。
日本でのデビューを果たしたMcKeeの前に立ちはだかったのは、同じ番組から誕生した「敗者」たちのユニット、ポケットビスケッツであった。両ユニットに課された「500円CD対決」という非情なルール。それは、どちらか一方が生き残り、もう一方が消え去るという、文字通りの生存競争であった。
結果として、McKeeはこの対決に敗北し、ユニットとしての活動は自然消滅という形で幕を閉じる。しかし、この敗北こそが、番組全体の熱量を頂点へと押し上げる結果となった。McKeeという「正規ルート」が散ったからこそ、千秋たちの「逆襲の物語」は、より一層の切実さと爆発力を伴って視聴者に受け入れられたのだ。
McKeeという存在がなければ、ポケットビスケッツが100万枚を超えるセールスを記録することも、ブラックビスケッツがアジアを席巻することもなかっただろう。彼女たちが残した『Can’t Stop My Heart』という一曲は、まさに巨大な火柱を上げるための火種であった。
※以下出典先で
引用元: ・【ウリナリ】30年前、狂乱のバラエティから産み落とされた“短命の三姉妹” 巨大な熱狂の種を蒔いた伝説のシングル [征夷大将軍★]
みっともない
Twin Twin ブラブラ
高山って人も覚えてない
不起訴は無実じゃないのにすり替えようとしてる奴がいるよな
どうでも良すぎる記事
みんなこんなん覚えてるのか?
台本
もっとドラマとか出ればいいのに
当時は「ウッチャンウリウリナンチャンナリナリ」という番組名で、
東野幸治とかも出てた。
無かった事になってるけど
ネタ扱いされてたポケビの方が売れた
曲が良かったのもあるけど


コメント